はだしのゲンの思い出

 私が通っていた小学校の図書室には、はだしのゲンが置いてあった。

 読もうとしたけど、読めなかった。ちらっと見えた絵柄からして、あまりにも怖すぎた。

 図書室でゲンを読んだり、借りたりしている生徒を見かけては、あの人偉いな、勇気があるなと思っていた。本当は自分も読まなきゃいけないはずなのに、と後ろめたい気持ちだった。

 こんなふうに、図書室に置いてあろうと読みたくなければ読まないわけで。そんな判断くらい小学生でもできるんだから、わざわざ閲覧制限隠するのはどうかと思う。

 ちなみにアニメ映画版は近所の公民館で上映されたときに観たし、中学校の文化祭ではゲンの大型紙芝居を作って発表するクラスなんかもあった。その発表は体育館で全校生徒がそろって観た。

 どちらもやはり、すごく怖かった。でも観なければよかったとかは思わないなあ。