私は学校で何を学んだのか

 10代の頃は勉強ができるほうだった(高卒なので高校までの話です)。

 成績というのは数字(点数とか順位とか)ではっきりと結果が現れるからわかりやすい。

 とにかく高い点数を取りたかったし、1番になりたかった。ガリガリ勉強して高得点を狙い、実際に成績上位をキープしていた。

 成績が良いということは、低い自己肯定感を支える上で重要なパーツだった。私から成績の良さを取り上げたら、何も残らないと本気で思っていたし、実際そのとおりだった。

 働き始めてはじめて、自分のポンコツ具合に驚き、呆れることの連続だった。新人の時代をとうに過ぎても、出来ないことがあまりに多すぎた。

 あのとき、自分のダメさを素直に認めて、正すにはどうしたら良いかを探ればもう少し救いようがあったかもしれない。

 しかし私は出来なかった。「また間違ったな! お前はどうしてできないんだ!!」と頭の中で自分を罵る一方で、「こんなはずじゃない。自分は優秀なはずだ!」と現実を受け入れることを拒み続けた。だって学校ではあんなに勉強ができたのだ。自分は優秀なはずだ。学校でいろいろなことを学んだはずだ。

 さて、私は学校で何を学んだのだろう。

 それは、テストで良い点数を取る方法。

 こんなもの、学校を卒業してしまったら役に立たないのだ。

 せめて勉強したことが身に付いていればと思うが、残念ながらほとんど忘れてしまった。特別に記憶力が良いというわけでもない。テストはほとんど一夜漬けで乗り切ったタイプなのだ。

 詰め込み教育がいけなかったとかそういうことを言いたいんじゃない。

 自分の浅はかさを思い知る。そこからはじめるしかないのだろう。