吹奏楽をはじめたきっかけ

 今から20年以上前のこと。 

 中学生になった私は、親から「何でもいいから部活には入りなさい」と言われ、じゃあ音楽とかけっこう好きだしってことで、吹奏楽部に入りました。

 音楽といっても、聴いていたのは当時はやりのニューミュージック(古い響きだ)。それでも一応音楽は音楽だしね、ということで。

 どの楽器を担当するかを決めるとき、何となくかっこいいからという理由でフルートかサックスを希望しました。

 しかしどちらも人気のある楽器です。定員オーバー&経験者が優先される状況で、「別に絶対フルートかサックスをやりたいわけでもないから」ほかの楽器に移ることにしました。

 もうこの時点でやる気がないのは目に見えてますね。それでも一応部活をがんばるぞ! という姿勢だけはとってました。

 そうしないとやる気に満ちあふれた周りの子たちから軽蔑されて嫌われてしまいそうだったから。

 こうして本音と建前が大きく乖離したまま部活を続けました。この「本音と建前の乖離」は部活だけでなくほかの面でも言えることでした。

 これってある程度は誰にも当てはまることだと思うんです。本音と建前の使い分けを始めるというのは大人に近づいた証拠とも言えたかもしれない。

 しかしこの、「大きく乖離したまま」というのは決して良い状態ではないと、後から気づくんです。

 つづく。