マンガ感想
- 作者: 岡崎京子
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2003/04/08
- メディア: コミック
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映画との相違点をあげていったらキリがないのでやめておく……けども、これは! と思ったポイントがあったので書いておく。
りりこの事務所の社長である「ママ」は、りりこの本当の母親でもちろん、ない。そしてママには実の子ども(息子と娘)がいる。
りりこがママに不満をもらすと、必ず言われることがある。それは『いったい誰があんたを作ったと思ってんの!?』。これって実の親子間では『いったい誰があんたを産んだと思ってるの!?』というかたちで使われる、言葉の暴力だ。
この言葉に『がんじがらめに』されて、りりこは嫌でも仕事をさせられる。内心辞めたいと思ったり、子どもを産みたいと言ってみてもママによって否定される。
しかしりりこの担当医師である整形外科医は『今のあなたを作ったのはあなた自身なのよ』と語りかける。それを思い出しりりこは『あたしはママのものじゃない あたしはあたしのものなのよ』と思い直す。けどすぐにママからの『わかってよ あんたを育てたのはビジネスじゃない あんたはあたしの“夢”なんだよ』と言われ『頭の中が曖昧になってゆく』。『なんなんだろう… このやりくち…』と疑問を抱きつつもりりこはまた働かされる。
これって自分のできなかったことを娘に押し付ける毒親のやりくちそのまんまなんだよね。
映画でもチラっとは触れられていた部分ではあるんだけど、ここまでしっかりとは描かれてなかった。まあ2時間の映画というかたちで再現するためには、どこかに焦点を絞らないとわかりづらくなるし、監督のやりたいことも優先させたいだろうし、だからあえてこの辺のことは端折っているのだろう。
このテーマ、実の娘を使ってやったらありきたりな話になってしまうんだけど、あかの他人を全身整形させてまでやるってところが斬新だよなあ。
- 作者: 貞本義行,Gainax
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1996/10
- メディア: コミック
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どうしても「子どもに世界の命運背負わせるなよなー」と思ってしまうので物語に入っていきづらいんだけど、いったん崩壊した世界に子どもの権利条約とかあるわけないよね。だから仕方ないのかな。
シンジくんと綾波が惹かれあうのは当たり前で、その説明はエディプスコンプレックスで片付くんだけど、やっぱりこの作品は「男の子向け」だよなーと感じる。
シンジくんと綾波は確かに境遇が似ている。でも似ているだけではシンジくんは彼女に心を開けないはず。
「自分と似てるけど、自分より何も持ってない」相手である、ということがキモかなあ。